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【楽曲感想編】Winter's End ~『いけにえと雪のセツナ』ピアノリサイタル~れぽ

 

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 この記事は【楽曲感想編】です。

実際に演奏された楽曲を聴いて、思ったこと、感じたこと、泣いたことを赤裸々に書き記していきます。楽曲そのものの評価というよりは、音に共振した自分の心を書きだそうと思います。

 MCに関してはこの記事ではカットしておりますので、トークショー編をご覧ください。

 

セットリスト

  1. Eternal winter 
  2. Town by the sea 
  3. Song in the wind
  4. Old hearth
  5. Redemption and forgiveness
  6. Like a boss!
  7. The forrest of light
  8. Little dancing light
  9. The Warmth Hope
  10. Wisper to the heart
  11. Of noble blood
  12. The ancient bloodline
  13. Safe heven 
  14. Dark anomaly 
  15. Frozen highlands 
  16. Stories of old 
  17. The Journey's End(ft.Tomoki Miyoshi & Hiroaki yura)

 an.Eternal winter (ft.Tomoki Miyoshi)

 

演奏

 

 

 一曲目は、セツナのテーマWinter's Endの"再作曲"(アレンジ)。

キラキラとした雪が降り始めた、その瞬間。暖かな光に包まれていたホールが冬の空気になった。 そして私はすでに涙していた。初めてセツナの音楽を聴いた、あの時と、発売を楽しみに毎日聞いていたあの時、ゲーム内で流れたあの時… 色んな『あの時』が積もっていき、涙が落ち、身体は震えることも忘れていた。

 素晴らしい。いや、そんな上から目線ではなくて ありがとう。そんな気持ちだった。そしてその気持ちを爆発させるかのように盛り上がって行く音楽。吹雪と雪に反射する太陽の光が見えた。

 MCを挟み、次の三曲。旅は遂に始まり、いけにえの長い道のりを奏でていく。空元気なのか、分からないけれどどこか楽し気な空気、無慈悲に吹き付ける海風、見たこともない大地。初めての村…すべてが懐かしく感じる。少ししか離れていないのに。雪は未だ降り続いている。

 再びMCを挟み、ヨミとキールとの出会い、彼らにゆかりのある曲へ。ヨミのテーマアレンジのRedemption and forgivenessは、随所にセツナのテーマが組み込まれている。その理由はゲームをプレイした方ならばきっとわかるはずだ。そんなことを考えつつ聞いていると、また涙が止まらなくなる。そしてそのヨミの涙や悲しみを知ってか知らずか、それを吹き飛ばすようなLike a boss!へ。無知や勘違いは時に軋轢を生むが、ヨミの悲しみや諦めに決して伝染しなかった彼らの音楽は、救いになったのかも知れない。

 そしてキールたち、運命に縛られた村、森の曲たちへ続く。安定を求めて暮らす彼らに「未来の為に現在を過ごす選択」を与えたキール。その力強さと、表裏一体であるかのような綺麗で静かな森の空気が交じり合った音楽だった。「時間」は待ってくれない。

 そしてコンサート前半ラストの曲へ。仲間は増え、賑やかになっているが世界はいまだ雪景色だった。しっかりと歩を進めることができている。山々から見える景色はどこまでも広く、綺麗だった。

 

 休憩を挟み、ついに物語は後編。古き血を継ぐジュリオンとの出会いと、世界の歪みを感じ始める。こんなに目の前の景色は美しく残酷なのに、世界は自らの自重で潰れそうになっている。それはジュリオンの心を再現しているかのようで、どれだけ大きな影響力があるのか、どれだけ大きな責任を背負っているのか、この時はわからなかった。その後、王家に関することを知っていくうちにどんどん悲しい気持ちになっていく。しかし、誰も諦めることはなかった。確かに足を前に歩いていた。The ancient bloodlineが流れると、汚れていると思っていた川で、魚を見つけた時のような「小さな美しさ・強さ」を感じた。

 そしてついに、いけにえは辿り着いた。しかし、終わりは見えない。暖かい記憶や、過去に想いを馳せながら彼らは歩く。氷に覆われた町を。これまで敵であったモノにも思いがあり、またここで新たな仲間に出会うのだ。いや、既に出会っていて、セツナは気が付いていたのだ。

 そして、ふと世界を眺めてみると消えてしまいそうなほど自分がちっぽけだと感じる。音楽は静かに奏でられる。止まない吹雪のように激しく、暖かい日差しのように優しく。

 そして過去へ。始まりへ。原曲では”全ての始まりと一口に言う。けれど責任が全てそこにあるわけじゃない。すべてが繋がっているんだ。どんなに離れていても。それが世界を作っているんだ。糸で編まれた繭のように”と書いた。今回もほぼ同じ気持ちである。

 

 本編ラストは、三好さん由良さんのデュエットによるThe Journey's Endだ。サウンドトラックではStaff rollという曲だった。ピアノの世界であったいけにえと雪のセツナに、新たな音が加わった瞬間だった・・・

 

 新しい世界が生まれた。

 

 

 

 

アンコールで、三好さんが出てきた。

少しはにかみながら、Eternal Winterを弾いてくれた。その音色はJemさんとはやはり違って、優しくて、儚くて、切ない音色だった。

 

一曲目のEternal Winterは雪の降り始めの音楽

アンコールのEternal Winterは雪の降り終わりの音楽

私は、そう感じました。