ポケモン・ブラック・ホワイト編 #藝大GSE
〈この記事は、2016年9月3日に行われた「藝大ゲームサウンドアンサンブル」に行った筆者のルポ記事になります〉
【ゲーム情報】
言わずと知れたポケットモンスター(ポケモン)シリーズ その中からDSで発売された「ブラック・ホワイト」をチョイスしています。 イッシュ地方を舞台とする本作は、理想と真実を司る伝説のポケモンと、それを追い求める少年Nをメインとした作品。
【曲目リスト】
作曲: 増田順一 / 景山将太
採譜・編曲: 庄司燦 / 八木遼太郎 / 渋谷風司 / 松永悠太郎
ポケモンのサウンドは、増田順一氏の独特なサウンドから生まれるものが多い。後から加わった方々はその「増田節」を引き継ぎながら新たなポケモンの世界を生んでいます。
今作の重要な人物であるNの「数学の天才」という特徴から音の並びや小節数が素数を素材に構築された楽曲も存在しています。そのほかにも「過去と未来が見える」という特徴から時計のイメージも感じとれます。どことなく狂気を孕んだ独特の曲たちが、本作品を複雑で深みのあるものと感じさせるのでしょう。
そんなポケットモンスターBWの楽曲の中から本作のサウンドリーダーでもある景山将太氏の楽曲を中心にチョイスされています。
《ここから筆者の個人的な感想が多々含まれます》
再びのポケモンの音楽です。RSEから年月が経ち、GBAからDSへとハードも進化しています。BWは次作BW2とも合わせてDS最後の作品となっており、DS音源の集大成といえる楽曲が多いように思います。
友達と一緒に買いに行った記憶があります…!
⒈王になった日
OPムービーの曲。
ポケモンと聞いて、こんな始まり方を予想できた初見さんは居ないのではないでしょうか。
ずしんとした王冠をNが被せられ、文字通り「王」になった日です。
⒉A New Adventure!
ポケモンのメインテーマアレンジ
王になった日の後から聞くと、安心感がありますね。
⒊タイトル
伝説のポケモン「レシラム・ゼクロム」が表示され、ハイスピードで展開するイッシュ地方の各所。
不安や新たな場所へのワクワク感と同時に、焦りを感じる曲です。
演奏もとても目まぐるしく変わっていくので、圧倒されました。
さながら風を受けたかのよう。
⒋はじまりの日
すっ…と風が通り過ぎた。
はじまりの場所。というよりはゆったりとした故郷といった感じ。
たとえそれが本当の故郷でなくても、ここが故郷なんだって思っていいような。
そんな優しい演奏でした。
⒍カラクサタウン
隣町へ出てきてみた。最初はなんだか怖いような気がしたが、少しずつ気にならなくなってきて、楽しくなっていく。
そんな風に曲が進行していって、気分はウキウキとしてきました。
⒎ポケモンの子、N
一呼吸おいて始まったのがこの曲。
幼さの中に、不釣り合いな真実を見る瞳があるような気がして怖くなった。
無機質じゃないのに無機質に感じるピアノが怖い。
⒏Nのドラゴン
ホールにドラゴンが現れた。
原曲よりも思い切った演奏で、一気に空気を持っていったような気がする。
⒐決戦!N
一瞬の無音。からのピアノのイナズマが駆け抜けていった。
そこからあふれ出す計算された感情の嵐のような音。そこに一石を投じるようながむしゃらな旋律はきっと主人公のもの。
2ループ以上、その攻防は続いていて、どちらが正しいのか。白黒をつける必要はあるのか。なんだか心がつらくなっていた。
⒑サヨナラ
そんな戦いを終えた後。なにかスッキリしたような素直な音が包んでくれた。
カノコタウンの旋律もあっただろうか。なんだか心が落ち着いていた。
⒒ENDING-それぞれの未来へ
そして納得したのか、それとも新しい何かを探しにいくのかこの曲へ。
決してとても気持ちのいい決まった形ではないが、それでも青い空のような音色が広がっていた。
いつの間にかポケモンであることを忘れていた。
ポケモンBWの音楽は、本当に名曲揃いですね。
歴代でも、人の心の葛藤に重きを置いて作られているように感じます。
そしてその重みを、感じさせるまでの演奏は素晴らしかったです。
ニンテンドーDS ポケモンブラック・ホワイト スーパーミュージックコレクション
- アーティスト: ゲーム・ミュージック
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2010/10/20
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